アートメイクインクの種類や選ぶ方!アートメイクのプロに聞いた色素の選び方も

アートメイクインクの選び方を解説する様子

「アートメイクのインクって、どんな成分でできるの?」

「安全なインクって、ほんとにそうなの?どうゆうとこが安全なの?」

患者様からこのような質問を受けた時、あなたは自信を持って答えられますか?

アートメイクは、顔に直接色素を注入する医療行為であり、使用するインクの成分や安全性は、患者様にとって非常に重要な要素となります。施術を受けていただくために、アートメイクインクに関する深い知識と理解が必要です

この記事では、アートメイクインクの種類、成分、安全性、選択、そして施術後のトラブル対策まで、詳細に解説していきます。掘り下げることで、あなたの施術の質を高め、患者様の満足度向上につなげることが可能になります。

この記事を読んでいただければ、以下の疑問が解決します。
  • アートメイクインクにはどんな種類があるのか​​?
  • それぞれの成分の特徴と安全性は?
  • 患者様に安心して施術を提供するために、どのような点に注意すべきか?
  • アートメイクインクの選び方のポイントとは?
  • 施術後に先にうるトラブルとその対処法は?
  • アートメイクインクの成分表示の見方やチェックポイントは?
  • 患者様への説明やカウンセリングをどのように行えば良いか?
  • アートメイク実践における倫理的な側面とは?
目次

1. アートメイクインクの基礎知識:染料と顔料の違い

染料と顔料の違いをわかりやすく解説


アートメイクに用いられる原料は、一般に色材と呼ばれており、色材には、大きく分けて2種類あり、染料と顔料です。

染料は水や油に溶け、繊維に浸透して色を付けるため、発色が鮮やかです。

一方、顔料は水や油に溶けず、表面に付着して色を付けるため、色落ちしにくく、耐久性が高いです。

身近な例だったらなに?

身近な例えで理解を深めましょう。

  • 染料:かき氷のシロップ、お茶、絵の具の水溶き
  • 顔料:絵の具、墨汁、印刷インク

アートメイクに用いられるのはどちらか?

アートメイクでは、主に顔料が使われます

その理由は、色素が皮膚に定着しやすく、色落ちしにくいからです。

それぞれの特性とメリット・デメリット

染料:発色が鮮やかですが、色落ちしやすいというデメリットがあります。

顔料:色持ちが良いですが、発色が染料に比べて劣る場合があります。


顔料は、塗料、絵の具、プリンターのインクなどいろいろな用途に使われていますが、「顔料」というぐらいですから、そもそも顔につけるもの、化粧に使われるものとして古くから認識されてきました。アートメイク色素には、顔料の方が圧倒的に多く使われています。

aki(医師)

 施術部位や患者様の希望に合わせて、適切なインクを選ぶことが重要です。

2. アートメイクインクの成分:無機顔料と有機顔料

アートメイクインクの主要成分

アートメイクインクの成分は、主に以下の4つのグループに分けられます。

  • 顔料
    • 色素を付与する成分
      • 無機顔料: 安定性が高く、色落ちしにくい。酸化鉄、二酸化チタンなど。
      • 有機顔料: 発色が鮮やかだが、安定性に劣る場合がある。アゾ色素など。
  • 溶媒:
    • 顔料を溶解したり、分散させたりする成分。
      • 水、エタノール、プロピレングリコールなど。
  • 結合剤
    • 顔料を皮膚に定着させ、色持ちを良くする成分。
      • アビエチン酸、エチルアクリレート、ポリエチレングリコールなど。
  • その他
    • 防腐剤、香料、保湿剤、増粘剤など。

アートメイクインクに配合されている主要成分を下記にまとめました!

アニリン・O-トルイジンはアゾ色素と言われるもので、アレルギーを引き起こす成分と言われています。

使用しているアートメイクインクに含まれるか確認しましょう!

アビエチン酸(コロホニー)

結合剤 | 天然樹脂から抽出される成分

アニリン

アゾ顔料不純物 | 有機顔料の製造過程で発生する可能性のある成分

※アレルギーを引き起こす成分

ベンジソチアゾリノン

防腐剤 | 細菌やカビの繁殖を防ぐ

オードローズ

香料

エタノール

溶媒 | 顔料を溶解したり、分散させたりする

エチルアクリレート

結合剤 | 顔料を皮膚に定着させ、色持ちを良くする

ホルムアルデヒド

防腐剤 | 細菌やカビの繁殖を防ぐ

イソプロピルアルコール

溶媒

メチルメタクリレート

結合剤

O-トルイジン

アゾ顔料不純物

※アレルギーを引き起こす成分

フェノキシエタノール

防腐剤

ポリエチレングリコール

結合剤

プロピレングリコール

溶媒 

無機顔料とは?代表的な成分とその特徴

アートメイクに用いられる成分は、大きく分けて2種類あり、無機顔料と有機顔料す。

無機顔料は安定しており、長期期間で色褪せしにくいです。

一方、有機顔料は発色が良く人気の成分です。

無機顔料

無機顔料は、安定性が高く、長期間色褪せしにくいという特徴があります。

代表的な成分には、酸化鉄と二酸化チタンがあります。

無機顔料の代表成分

酸化鉄とは?
  • 眉毛やアイラインの施術に適しています。
  • 耐久性も高く、長期間美しい色を保ちます。
  • 色合いは、赤褐色、黄褐色、黒色などがあります。
  • 酸化鉄は、人体への影響が少なく、安全性の高い顔料として知られています。
二酸化チタンとは?
  • 明るい色や白を必要とする施術に適しています。
  • インクの不透明度を調整し、色をより鮮やかに際立たせる効果があります。
  • 白色の顔料として、カバー力も高く、シミやそばかすを隠す効果もあります。

有機顔料とは?代表的な成分とその特徴

 有機顔料

有機顔料は、発色が良く、鮮やかで多様な色を提供することができます。特にリップやカラフルなメイクアップに適しています。

無機顔料に比べて、アレルギーを引き起こしやすいと言われており、特にアレルギーを引き起こすのは、アゾ色素です。

無機顔料の代表成分

 代表的な成分には、アゾ色素があります。

アゾ色素とは?
  • 鮮やかで豊富な色合いを提供できますが、化学的に不安定な場合があります。
  • アレルギー反応を引き起こす可能性も高いので注意が必要です。

無機顔料と有機顔料、どちらが安全?それぞれのメリット・デメリットを比較

無機顔料

メリット:安定性が高く、長期維持できる。

デメリット:発色が有機顔料に比べて劣る。金属アレルギーのリスクが有機顔料よりも高い。

有機顔料

メリット:発色が鮮やかで、豊富な色合いを提供できる。

デメリット:特定の成分によっては、金属アレルギー以外のリスクが無機顔料よりも高い。

無機顔料と有機顔料どちらがよく使われている?

アメリカの医学論文の調査では、無機顔料よりも有機顔料の方が頻繁に使用されていることもわかりました。調査したアートメイクインクで79 種類のうち、無機顔料はわずか25%でした。またアメリカで流通しているアートメイクインクには、アルミニウムやクロムなどのアレルギー性皮膚疾患を引き起こすことが知られている他の金属は見つかったと報告されています。

aki(医師)

アメリカでの有機由来のアートメイクインクの使用率は75%と高いですね!
日本での調査はないですが、同様の使用率だと思います!

3. アートメイクインクの安全性:アレルギーリスクと成分チェック

アートメイクインクによるアレルギー反応

アートメイクインクの成分に含まれる金属や化学物質によって、アレルギー反応が起こることがあります。

アレルギー反応は、施術後すぐに起こる場合もあれば、数日後に起こる場合もあります。

どのアートメイクで起こりやすいの?

アメリカの医学論文によると、アートメイクインクに対するアレルギー性皮膚疾患が確認された症例のうち、大多数は唇に発生した反応です。これらの症例はすべて赤色顔料に対するもので、赤色 181によるパッチテストで確認された症例が 1 件ありました。

aki(医師)

Red181が使用しているインクに入ってないかは確認しましょう!

アレルギーを起こしやすい成分とその特徴

無機由来のアートメイク色素

無機顔料に含まれているアレルギーを起こしやすい成分には、ニッケル、コバルト、クロムなどがあります。

これらの成分は、金属アレルギーの原因となることがよくあります。

特に、ニッケルは、アレルギーを起こしやすい成分として知られています。

aki(医師)

上記に挙げた成分は、すべてのアートメイクインクに含まれているわけではありません

有機由来のアートメイク色素

有機顔料に含まれているアレルギーを起こしやすい成分には、下記の色顔料などがあります。

これらの成分は、アレルギー性皮膚疾患の原因となることがよくあります。

有機顔料に含まれているアレルギーを起こしやすい成分
  • 黒11: カーボンブラック、黒色顔料
  • 青15: クロマゾールブルー、青色顔料
  • 緑 7: メチルグリーン、緑色顔料
  • オレンジ 34: オレンジ色顔料
  • レッド101: レッド色顔料
  • レッド122: レッド色顔料
  • レッド181: レッド色顔料
  • レッド210: レッド色顔料
  • イエロー42: イエロー色顔料
  • イエロー65: イエロー色顔料
  • ソルベントイエロー33: イエロー色顔料
aki(医師)

上記に挙げた成分は、すべてのアートメイクインクに含まれているわけではありません

アレルギーリスクを減らすための事前対策

パッチテストの実施

施術前に、患者様のうなじや腕、背中に少量のインクを塗布し、アレルギー反応が出るかを確認します。

アレルギーの経験がある方には、パッチテスト必ずアートメイク施術前に実施しましょう。

パッチテストすれば大丈夫?

アートメイクアレルギーが疑われる79人の患者を対象としたデンマークの研究では、アートメイクインクのパッチテストが行 われました。これらの患者のうち、パッチ反応が陽性だったのはわずか11% で、アートメイクインクのテストは役に立たない可能性があることを示唆しています。

aki(医師)

パッチテストが陰性だから大丈夫ではないです!経過を確認することが大事です!

患者様への丁寧な説明とカウンセリング

患者様にインクの成分やアレルギーのリスクについて丁寧に説明し、不安を解消しましょう。

患者様の過去の皮膚トラブルやアレルギー歴なども詳しく聞き取りましょう。

aki(医師)

アレルギーや皮膚トラブル歴がある方には要注意です!

安全性の高いインクを選ぶためのチェックポイント

成分表示が明確で、安全性に関する情報が公開されているメーカーのインクを選ぶ

メーカーのウェブサイトなどで、インクの成分表示や安全性に関する情報を確認しましょう。

情報が公開されていないメーカーのインクは、避けるべきです。

アートメイクインクのブランドのMediBrowのMARQUの商品画像

ブランド:MediBrow

商品名:MARQU

価格:4600円(税込)

ナノレベルの微粒子インク配合で、高い定着力と発色力を実現した次世代のアートメイクインクです。プロのアーティストからも支持を得ている人気インクで、即日配送も可能です。

良い点
  • 低アレルゲン性のインクで安心!
  • ナノピグメントでしっかり定着◎
  • 日本人向けのカラー展開
悪いとこ
  • 比較的にやや高い
  • 特徴
    • ナノレベルの微粒子インクが皮膚の真皮乳頭に浸透し、しっかり定着
    • 高い定着力と発色力を両立
    • 操作性に優れ、繊細なラインも描きやすい
  • メリット
    • 定着が気になる患者様に最適
    • 施術後も美しい仕上がりが長く続く
    • 低アレルゲンで皮膚トラブルの心配がない
  • デメリット
    • 価格がやや高め

4. アートメイクインクの選び方:信頼できるメーカーと成分表示

患者様に安心して施術を提供するためのインク選びのポイント

 施術部位に適したインクの選択

眉毛、アイライン、リップなど、施術部位によって適切なインクの種類が異なります。

眉毛には、自然な色調のインクを選びましょう。

アイラインには、くっきりとした発色のインクを選びましょう。

リップには、鮮やかで発色の良いインクを選びましょう。

色素の濃度と色調の確認

患者様の希望の色調と肌の色に合わせて、適切な濃度のインクを選びましょう。

色見本などで、実際に色を確認しましょう。

患者様との綿密なカウンセリング

施術前に、患者様の肌の状態や希望を丁寧にヒアリングし、最適なインクを選びましょう。

患者様の過去の皮膚トラブルやアレルギー歴なども詳しく聞き取りましょう。

安全で高品質なアートメイクインクを選ぶためのヒント

製品の品質管理体制がしっかりしているメーカーのインクを選ぶ

メーカーのウェブサイトなどで、品質管理体制に関する情報を確認しましょう。

GMP(医薬品製造管理基準)を取得しているメーカーのインクを選ぶと、安心できます。

臨床試験や研究データが公開されているインクを選ぶ

臨床試験や研究データが公開されているインクは、安全性や効果が裏付けられています。

メーカーのウェブサイトなどで、臨床試験や研究データに関する情報を確認しましょう。

アートメイクインクのブランドのMediBrowのMARQUの商品画像

ブランド:MediBrow

商品名:MARQU

価格:4600円(税込)

ナノレベルの微粒子インク配合で、高い定着力と発色力を実現した次世代のアートメイクインクです。プロのアーティストからも支持を得ている人気インクで、即日配送も可能です。

良い点
  • 低アレルゲン性のインクで安心!
  • ナノピグメントでしっかり定着◎
  • 日本人向けのカラー展開
悪いとこ
  • 比較的にやや高い
  • 特徴
    • ナノレベルの微粒子インクが皮膚の真皮乳頭に浸透し、しっかり定着
    • 高い定着力と発色力を両立
    • 操作性に優れ、繊細なラインも描きやすい
  • メリット
    • 定着が気になる患者様に最適
    • 施術後も美しい仕上がりが長く続く
    • 低アレルゲンで皮膚トラブルの心配がない
  • デメリット
    • 価格がやや高め

5. アートメイクインクに関するトラブル

アートメイクインクによるアレルギー性接触皮膚炎

アートメイクインクの成分に対するアレルギー反応によって、皮膚炎が起こることがあります。

アレルギー性接触皮膚炎は、施術後すぐに起こる場合もあれば、数日後に起こる場合もあります。

アレルギー性接触皮膚炎の症状とその原因

アレルギー性接触皮膚炎とは?

アレルギー性接触皮膚炎とは?

アレルギー性接触皮膚炎とは、皮膚に特定の物質(アレルゲン)が触れることで、遅延型の過敏反応として起こる皮膚炎です。アレルゲンに触れてから症状が現れるまでには数時間から数日かかるのが特徴で、アレルゲンに触れた部位に症状が現れます。一度アレルギー反応を起こすと、同じ物質に触れると再び症状が出やすくなります。

症状

アレルギー性接触皮膚炎の症状は、初期には赤み、かゆみ、腫れ、乾燥、発疹などが現れます。症状が重症化すると、水ぶくれ、痛み、皮膚の剥離、色素沈着などが起こることもあります。

治療

アレルギー性接触皮膚炎の治療法としては、まずアレルゲンとの接触を避けることが最も重要です。アレルゲンを特定し、接触を避けるようにしましょう。症状を和らげるために、ステロイド軟膏や抗ヒスタミン薬などの薬物療法が行われることもあります。重症の場合には、光線療法や免疫抑制剤が用いられることもあります。

アートメイクインクにも、金属や化学物質など、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性のある成分が含まれていることがあります。アートメイク後、アレルギー性接触皮膚炎が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう

7. アートメイクインクに関する追加情報

アートメイクインクの成分表示の見方

インクの成分表示には、インクに含まれるすべての成分が記載されている必要があります。

特に、アレルギーを起こしやすい成分が含まれているかどうかを確認しましょう。

アートメイクインクに関する最新情報

アートメイクインクに関する情報は、常に更新されています。

最新の情報を入手し、常に知識をアップデートしましょう。

アートメイクのインクや最新研究報告などを配信しているMediBrowインスタグラムアカウント紹介

まとめ

この記事では、アートメイクインクの種類、成分、安全性、選択、トラブル対策、患者様への説明、そして倫理的な側面まで、幅広く解説しました。

医療従事者として、患者様に安心して施術を受けていただくために、この記事の内容を参考にして、安全で質の高いアートメイクを提供しましょう。

アートメイクインクの選び方を解説する様子

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