アートメイクでアレルギー性接触皮膚炎?!皮膚疾患を引き起こす可能性のあるアートメイクインク成分

アートメイクによる重症皮膚疾患の症例

アートメイク施術において、お客様の安全は最も重要な要素です。

お客様の顔に直接施術を行うアートメイクは、美容的な側面だけでなく、医療的な知識と技術が必要とされる高度な技術です。

日々使用するインクの安全性について、疑問を感じたことはありませんか?

近年、アートメイク施術を受けた後に、アレルギー性接触皮膚炎などのトラブルが発生するケースが増加しています。

これは、アートメイクに使われるインクの中には、肌に悪影響を及ぼす可能性のある成分が含まれているためです。

この記事では、アートメイク施術者である看護師の皆さまに向けて、インクの成分とアレルギーのリスクについて詳しく解説し、安全な施術を行うための知識、パッチテストの限界、お客様への説明方法、トラブル発生時の対応など、実践的な情報をまとめました。

目次

アートメイクインクの成分

アートメイクインクには、大きく分けて「無機顔料」と「有機顔料」の2種類があります。それぞれの特徴と、アレルギーリスクについて見ていきましょう。

無機顔料

鉄、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、銅、モリブデン、マンガンなどの金属を含みます。無機顔料は、安定性が高く、色褪せしにくいという特徴があります。しかし、中にはアレルギー反応を起こしやすい成分も含まれているため、注意が必要です。代表的な無機顔料には、酸化鉄(黒、赤褐色)、二酸化チタン(白)、酸化クロム(緑)、酸化亜鉛(白)などがあります。

無機顔料のアートメイクインクの成分

有機顔料

アゾ、キナクリドン、アントラキノンなどの有機化合物が含まれています。有機顔料は、無機顔料に比べて鮮やかな発色を得ることができ、近年では、アートメイクインクにも多く使用されています。しかし、有機顔料もアレルギー反応を起こす可能性があり、特にアゾ系染料は注意が必要です。代表的な有機顔料には、アゾ系染料(赤、黄、橙など)、キナクリドン系染料(赤、紫など)、アントラキノン系染料(赤、青など)があります。

有機顔料のアートメイクインクの成分

アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性のある成分

研究によると、アートメイクに使われる 79 種類の顔料のうち、10 種類がアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があるとされています。これらの成分は、人によっては、かゆみ、発疹、腫れなどの症状を引き起こす可能性があります。

アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性のある10種類の成分

  • P. Red 101
    • 赤色系の顔料で、化粧品や食品などにも広く使用されています。
  • P. Red 122:
    • 赤色系の顔料で、食品や医薬品にも使用されています。
  • P. Red 181
    • 赤色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • P. Red 210
    • 赤色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • P. Yellow 42
    • 黄色系の顔料で、化粧品や食品にも広く使用されています。
  • P. Yellow 65
    • 黄色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • Solvent Yellow 33
    • 黄色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • Black 11
    • 黒色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • Blue 15
    • 青色系の顔料で、主に染料として使用されています。
  • Orange 34
    • オレンジ系の顔料で、主に染料として使用されています。

これらの成分以外にも、インクには様々な添加物が含まれている場合があります。そのため、インクを選ぶ際には、成分表示をしっかりと確認し、アレルギーリスクについて理解することが大切です。

アートメイクインクによる皮膚疾患

パッチテストの限界

従来のパッチテストは、表皮の反応を見るため、真皮に埋め込まれるタトゥーインクのアレルギー反応を完全に確認することはできません。

そのため、パッチテストで陰性だったとしても、実際にアレルギー反応が起こる可能性はゼロではありません。

アートメイクインクのパッチテスト陽性になった画像

安全なアートメイク施術のための4つのポイント

  1. インクの成分表示を確認する
    • アートメイクインクを選ぶ際には、必ず成分表示を確認し、アレルギーを引き起こす可能性のある成分が含まれていないかチェックしましょう。特に、上記に挙げた10種類の成分が含まれていないか注意深く確認することが重要です。
  2. お客様にパッチテストを行うように勧める
    • アートメイク施術前に、お客様にパッチテストを受けていただくよう勧めることが大切です。パッチテストは、表皮の反応しか確認できないため、完全に安全性を保証するものではありませんが、アートメイクによるアレルギーリスクを事前に把握するためには有効な手段です。
  3. アレルギー反応が出た場合の対処法を学ぶ
    • 万が一、アレルギー反応が出た場合に適切な対処法を学んでおくことが重要です。アートメイクによるアレルギー反応が出た場合は、すぐに施術を中止し、お客様に適切な処置を施す必要があります。
  4. お客様への説明を徹底する
    • 施術前に、使用するアートメイクインクの成分やアレルギーリスクについて、お客様に分かりやすく説明しましょう。お客様が安心して施術を受けられるよう、丁寧な説明とコミュニケーションを心がけましょう。

MARQUはインク成分にこだわった次世代アートメイクインク

大人気のアートメイクインク。MARQUの写真

アートメイク施術におけるリスク管理の重要性

アートメイク施術は、医療行為に近いため、リスク管理が非常に重要です。お客様の安全を守るためには、以下の点を常に意識しましょう。

  • アートメイク施術前
    • アートメイク施術を受けるお客様の健康状態やアレルギー歴を丁寧に確認する。
    • 使用するアートメイクインクの成分表示をしっかり確認し、お客様に説明する。
    • アレルギーリスクを考慮し、必要な場合はパッチテストを実施する。
  • アートメイク施術中
    • アートメイク施術中の様子を注意深く観察し、お客様の反応に注意を払う。
    • 異常を感じたら、すぐに施術を中止し、適切な処置を行う。
  • アートメイク施術後
    • アートメイク施術後の経過をしっかり観察し、お客様にアフターケアの方法を丁寧に説明する。
    • アレルギー反応などのトラブルが発生した場合には、適切な対応を行い、お客様を安心させる。

最新情報をいち早く知るためには?

アートメイク業界は常に進化しており、新しいインクや技術が次々と登場しています。そのため、常に最新の情報を収集し、知識をアップデートすることが大切です。

  • 専門誌や学会発表: アートメイク関連の専門誌や学会発表の情報に注目しましょう。
  • インターネット検索: 信頼できる情報源から、最新のインク成分情報やアレルギーに関する情報を収集しましょう。
  • 関連団体への参加: アートメイク関連の団体に所属することで、最新の技術情報や安全に関する情報を共有することができます。
chika(ナース)

論文などを見ても何が大事か分からないですよね...

aki(医師)

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患者様とのコミュニケーション

安全な施術を行う上で、患者様とのコミュニケーションは非常に重要です。患者様に安心して施術を受けてもらうために、以下の点に注意しましょう。

  • 丁寧な説明
    • インクの成分や施術内容、リスクなどについて、分かりやすく丁寧に説明しましょう。
  • 質問への対応
    • 患者様の質問には、誠意を持って丁寧に答えましょう。
  • 不安解消
    • 患者様の不安を解消するために、寄り添う姿勢で対応しましょう。
  • アートメイク施術の同意取得
    • 施術を行う前に、患者様の同意をしっかりと得ましょう。

アートメイク施術は、お客様の容姿を美しくするだけでなく、自信や喜びを与える素晴らしい技術です。

安全な施術を提供し、お客様に最高のサービスを提供することで、お客様の満足度を高め、信頼関係を築き上げることが大切です。

常に安全を意識し、最新の情報収集、リスク管理、そして患者様との良好なコミュニケーションを心がけ、より良いアートメイク施術を提供していきましょう。

アートメイクによる重症皮膚疾患の症例

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